メニュー

色覚検査

[2026.06.28]

学校での色覚検査については、従来、小学4年生の学校健診で全員に行われておりました。色覚異常に関する偏見や差別など社会的課題の改善をめざす議論の末、学校保健安全法が改定され、2003年度から学校健診における色覚検査は必須ではなくなりました。先天色覚異常は、男子の5%(20人に1人)、女子の0.2%(500人に1人)の割合でみられるもので決してまれなものではありません。現在は、生徒と保護者の同意を得たうえで任意に実施されているのが現状です。色覚異常の程度により見え方は一人ひとり異なるものであり、自分では気づきにくい特性でもあります。色のバリアフリーなど社会の認識は向上してきているとはいえ、一定の職業では制約があることもまた事実です。自身が色覚異常であることを知らないまま進学や就職に臨んで初めて判明し、困惑するケースも見受けられます。色覚に関する不安は、遺伝性の要素もあり、ご本人だけでなくご家族にとっても大きな悩みとなることがあります。特にお母さまは心を痛めるケースが多いです。当院では親身になってその不安を解消するお手伝いをしております。

色の識別が周囲と少し異なると感じたときや、学校で指摘を受けたとき、どのように向き合えばよいのか戸惑うこともあるでしょう。当院では、単に色覚検査結果をお伝えするだけでなく、日常生活での工夫や将来の進路選択についても一緒に考えていくことを大切にしています。地域のかかりつけ医として温かく丁寧な対応を心がけておりますので、どうぞ安心してお越しください。

眼科でおこなう色覚検査の種類と方法

眼科で行われる色覚検査には、複数の方法があります。それぞれの検査には役割があり、当院では、仮性同色法として、石原色覚検査表東京医大式色覚検査表の2種類、色相配列検査のパネルD-15を用意しております。

スクリーニング検査(石原表)

点画の中に数字や線が描かれた表を用いる検査です。学校の保健室では、石原色覚検査表Ⅱコンサイス版14表を用いることが多いようです。短時間で行うことができ、色の識別の傾向を把握するのに役立ちます。お子様でもゲーム感覚で取り組めるため、最初のステップとして有効な方法です。当院では診察室で医師が東京医大式色覚検査表で色覚異常の有無を確認した後、パネルD-15検査をスタッフが別室で施行します。

パネルD-15(色並べ検査)

15個の色のついたキャップを、似ている色の順番に並べていく検査です。色の識別能力が日常生活にどの程度影響するかを判断するために重要な役割を果たします。色の系統を正しく選べるかどうかを確認することで、色覚異常の型や程度を判定できます。

その他の精密な評価

より詳細な色の見え方の分析が必要な場合には、アノマロスコープなどの専用の装置を用いることもあります。当院には設備がありませんので、より専門的な評価を希望される場合には、東京慈恵会医科大学附属病院の専門外来などへご紹介いたします。

学校の保健の先生から色覚検査を勧められた場合や、書類への記入が必要な場合など、まずはお気軽に相談にいらしてください。

色覚検査当日の流れ

当院での色覚検査は、お子様の緊張をほぐしながら丁寧に進めていきます。予約制ではありませんので、思い立ったときにいつでも受診いただけるのが当院の特徴です。ただし、色覚検査はゆっくりと時間をかけて落ち着いた環境でおこなう必要があるため、状況に応じて、予約として後日再診していただく場合もあります。

  1. ステップ1:受付と問診
    受付で色覚検査を希望される旨をお伝えください。いつからどのようなことが気になっているか、家族歴や学校での様子なども伺います。
  2. ステップ2:予備検査
    視力検査などの一般的な目の状態を確認します。色の見え方は視力と直接は関係しませんが、目全体の健康状態を把握することは大切です。
  3. ステップ3:色覚検査の実施
    色覚検査表やパネルD-15を用いて、具体的な検査を行います。落ち着いた環境で、リラックスして受けていただけるよう配慮いたします。
  4. ステップ4:医師による診察と結果説明
    検査結果をもとに、現在の色の見え方の特性について分かりやすく丁寧にご説明します。
  5. 最終ステップ:今後のアドバイス
    日常生活での色の見分け方や、将来の進路・職業選択における相談、ご家族への説明など、親身に対応いたします。

費用について

色覚検査は保険診療の範囲内で行われます。横浜市にお住まいの方は、2026年6月から小児医療費助成拡充により、18歳まで無償化となり自己負担はございません。2026年9月からは川崎市も18歳まで全額助成となります。成人の方の検査についても保険診療で決まっておりますので、詳しくは受付でお尋ねください。

色覚検査に関するよくある質問

Q1. 検査を受けるのに最適な年齢はありますか?

A1. 数字や色の概念が理解でき、指示に従って色を選べるようになる小学校3~4年生頃が、一つの目安となります。ただし、ご家庭で色の見分けが難しい様子が見られる場合は、就学前でもご相談ください。将来の進路を考え始める中学生頃には、しっかりと検査で評価し、自身の色の見え方の特徴を知っておくことが大切です。

Q2. 色覚異常は治療で治るものですか?

A2. 先天色覚異常は、現在の医療では根本的に治すことはできません。しかし、色の見え方の特徴を正しく知ることで、日常生活を工夫し、困りごとを減らしていくことが十分に可能です。

Q3. 学校の健康診断で再検査と言われましたが、受診は必要ですか?

A3. はい、ぜひ眼科を受診してください。学校のスクリーニング検査では判定が難しい場合もあり、眼科でしっかりと評価を行うことで、お子様自身の安心感につながります。当院は鶴見市場駅から近く、学校帰りにも立ち寄りやすい立地です。

Q4. どのような仕事に影響がありますか?

A4. 鉄道の運転士、パイロット、航海士、自衛官、警察官など、色の識別が安全に直結する一部の職業では制限がある場合があります。進路を検討する段階で、正確な特性を把握しておくことは将来設計において非常に有意義なことです。

当院における色覚検査の取り組み

当院では、患者さんが自分の見え方に対してポジティブに向き合えるような環境づくりを大切にしています。色覚検査の結果は、優劣を決めるようなものではなく、その方の特性を理解するための大切なデータと考えます。

当院では、お子様が不安を感じないよう、優しく声をかけながら検査を進めます。保護者の方への説明も、専門用語を避け、実際の生活シーンに即した分かりやすい言葉で行うよう心がけております。

さいごに

先天色覚異常の大半は日常生活に大きな支障はありません。ただし、程度によっては日常生活での注意や工夫が必要です。近年は色のユニバーサルデザインなど、社会全体の理解が進んできているとはいえ、現実的に将来の進路を考えるときには、自身の色覚の特性を十分考慮すべきと考えます。かつての学校検診では全員に色覚検査が行われていましたが、その実施が希望制になったことで、大人になってから初めて自分の色の特性に気づき、戸惑う方も少なくありません。

当院では、地域の目のかかりつけ医として、そうした戸惑いや不安にも寄り添いたいと考えています。たとえば、焼肉の焼け具合が分かりにくい、スマートフォンの充電ランプの色が区別しにくい、といった日常のちょっとした不便さも、色覚検査によって理由が分かれば対策が立てられます。

自分だけ色の見え方が違うのかな?と一人で悩まず、まずは当院へお気軽にお越しください。私たちは、どんな目の不安にも親身に対応いたします。スタッフ一同、みなさまの来院を笑顔でお待ちしております。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME